ポートフォリオ

投資信託

分散投資でリスク軽減?マルチアセット投資とは

- マルチアセット投資の基礎 投資の世界には、「卵を一つの籠に盛るな」ということわざがあります。これは、資産を一つだけに集中させてしまうと、その資産の価格が下落した際に大きな損失を被るリスクがあることを示唆しています。 マルチアセット投資は、まさにこのことわざを体現した投資手法と言えるでしょう。複数の種類の資産に分散して投資を行うことで、リスクを軽減し、安定した収益の獲得を目指します。 具体的には、株式や債券だけでなく、不動産やコモディティなど、異なる特徴を持つ様々な資産に投資を行います。それぞれの資産は、景気や金利などの影響を異なる形で受けるため、ある資産の価格が下落した場合でも、別の資産の価格が上昇することで、損失を相殺したり、あるいは利益を生み出したりすることが期待できます。 このように、マルチアセット投資は、リスクを抑えながら安定的な収益を目指せる投資手法として、近年注目を集めています。
その他

企業年金における「単独運用」:そのメリットと注意点

- 単独運用とは企業年金基金には、従業員の将来受け取る年金を準備し、長期的に資産を増やすという重要な役割があります。そのための方法の一つとして、「単独運用」があります。単独運用とは、複数の企業年金基金の資金をまとめて運用する「合同運用」とは異なり、それぞれの企業年金基金が、預かった資金を他の年金基金とは完全に分離して、独自の方針に基づいて運用する方法です。具体的には、債券や株式といった資産に、他の年金基金と共同で購入するのではなく、直接投資を行います。債券は比較的ローリスク・ローリターン、株式はハイリスク・ハイリターンと、それぞれ異なる特徴を持つため、それぞれの企業年金基金の加入者の年齢層やリスク許容度などを考慮し、独自の判断で最適な組み合わせを選択することができます。このように、単独運用は、それぞれの企業年金基金のニーズに合わせた、柔軟で自由度の高い運用スタイルを実現できるという大きなメリットを持つ運用方法と言えます。
その他

年金運用を成功へ導く、マネジャー・ストラクチャー構築の重要性

- マネジャー・ストラクチャーとは 企業年金基金などの機関投資家は、預かった大切な資産を適切に運用し、将来にわたって年金を支払っていく必要があります。そのために、専門知識を持ったプロである運用会社に資産運用を委託しています。 マネジャー・ストラクチャーとは、数ある運用会社の中から、どの会社に、どれくらいの金額を、どのような形で運用を任せるのか、いわば『運用チーム編成』の設計図と言えるでしょう。 最適なマネジャー・ストラクチャーを構築するためには、単に知名度や過去の運用成績だけで会社を選ぶのではなく、それぞれの運用会社の専門性や得意分野、運用スタイルなどを深く理解することが重要です。 例えば、ある会社は日本株に強く、別の会社は海外債券に精通しているといったように、得意分野は会社によって異なります。また、短期的な利益を狙う会社もあれば、長期的な安定運用を重視する会社もあります。 このように、それぞれの運用会社の個性を見極め、投資目標やリスク許容度に合わせて、最適な組み合わせを構築することで、より効率的かつ効果的な資産運用が可能になるのです。
経済の用語

投資の黄金律!効率的フロンティアを解説

- 投資における効率性とは 投資の世界では、誰もが「少ないリスクで、大きくお金を増やしたい」と願っています。しかし、現実はそう甘くありません。なぜなら、通常は大きな利益を狙えば、その分だけ損失のリスクも大きくなり、逆にリスクを抑えようとすれば、得られる利益は小さくなってしまうからです。 そこで大切になるのが「効率性」という考え方です。効率性とは、無駄をなくして、最大限の結果を引き出すことを意味します。 投資における効率性とは、同じリスクレベルで比較した場合に、より高いリターンを得ることを指します。例えば、AさんとBさんが同じ金額を投資していて、Aさんは年間5%のリターン、Bさんは年間10%のリターンを得ているとします。この場合、Bさんの方が効率的に投資を行っていると判断できます。 また、効率性はリスクの面からも評価できます。同じリターンを目指す場合、よりリスクを抑えて投資できている方が効率的と言えるでしょう。例えば、CさんとDさんがどちらも年間5%のリターンを目指しているとします。Cさんは元本が半分になってしまう可能性が20%ある投資、Dさんは元本が半分になってしまう可能性が10%ある投資を行っているとします。この場合、Dさんの方が効率的に投資を行っていると判断できます。 投資において効率性を追求することは、限られた資金で最大限の成果を上げるために非常に重要です。そのためには、様々な投資先を比較検討し、自分にとって最適な投資方法を見つけることが大切です。
投資信託

少額で不動産投資?REITの魅力を解説!

- REITとは REITは「不動産投資信託」の略称で、多くの投資家から集めた資金を元手に、オフィスビルやマンションといった不動産に投資を行い、その賃貸収入や売却益を投資家に分配する金融商品です。 従来の不動産投資は、多額の資金が必要となるため、一部の富裕層に限られていました。しかし、REITは少額から投資が可能であるため、一般の投資家にとっても不動産投資へのハードルが大きく下がりました。 また、REITは株式のように証券取引所で売買することができます。つまり、証券会社に口座を開設すれば、誰でも簡単に売買することができるのです。これは、流動性が低く、売買に手間がかかる現物の不動産投資とは大きく異なる点です。 このようにREITは、少額投資、高い流動性といった特徴から、手軽に不動産投資に携わることができる魅力的な金融商品と言えるでしょう。
その他

企業年金におけるポートフォリオ・オーバーレイ・マネジャーの役割

- ポートフォリオ・オーバーレイ・マネジャーとは近年、企業年金の運用において注目を集めているのが「ポートフォリオ・オーバーレイ・マネジャー」です。 従来の企業年金運用では、株式や債券といった異なる資産クラスごとに別々の運用会社に運用を委託するのが一般的でした。しかし、ポートフォリオ・オーバーレイ・マネジャーは、企業年金基金全体の資産構成やリスク、さらには為替変動の影響までを総合的に管理するという、従来とは異なるアプローチを採用しています。具体的には、ポートフォリオ・オーバーレイ・マネジャーは、企業年金基金全体の投資目標やリスク許容度に基づき、最適な資産配分を決定します。そして、各資産クラスの運用は、従来のように個別の運用会社に委託するものの、ポートフォリオ全体のリスク管理は、オーバーレイ・マネジャーが一括して行います。これにより、例えば、ある資産クラスのリスクが高まったと判断した場合、他の資産クラスの運用比率を調整することで、全体のリスクを抑制することができます。このように、ポートフォリオ・オーバーレイ・マネジャーは、専門性の高い高度な運用によって、企業年金全体の運用効率の向上とリスク管理の強化を図ることを目指しています。従来の運用方法では、個別の運用会社がそれぞれ独自の視点で運用を行うため、全体最適の観点から見ると非効率性が生じる可能性がありました。しかし、ポートフォリオ・オーバーレイ・マネジャーの導入により、企業年金運用は、より統合的かつ洗練されたものへと進化していくと考えられます。
経済の用語

ホームアセットバイアス:なぜ自国資産に偏る?

投資の世界には、「卵は一つの籠に盛るな」ということわざがあります。これは、一つのものに資産を集中させてしまうと、その資産の価値が下落した際に大きな損失を被ってしまうことを意味しています。そのため、リスクを分散させるために、国内だけでなく海外の資産にも投資をする国際分散投資が重要視されています。 しかし、現実は異なるようです。多くの投資家は、国内の株式や債券など、自分が住んでいる国の資産に偏った投資を行っている傾向があります。これは、ホームアセットバイアスと呼ばれる現象で、自国バイアスとも呼ばれます。 なぜ、このような現象が起こるのでしょうか?その理由の一つに、人は自分がよく知っているものに対して安心感を抱くという心理的な側面があります。例えば、自分が利用したことのある企業や、よく知っている業界の企業であれば、その企業の将来性やリスクをある程度予測することができます。一方で、海外の企業や市場については、情報収集が難しく、不確実性が高いため、投資をためらう傾向があります。 しかし、ホームアセットバイアスは、必ずしも投資家にとって有利に働くとは限りません。自国の経済状況が悪化した場合、国内資産の価値は大きく下落する可能性があります。また、国際分散投資を行うことで、より高いリターンを得られる可能性もあります。 長期的な資産形成を成功させるためには、感情に左右されず、リスクとリターンを考慮した上で、国際分散投資を行うことが重要です。
経済の用語

投資におけるベンチマーク・リスクとは?

お金を運用する世界では、リスクとリターンは切っても切り離せない関係にあります。大きな利益を狙うなら、それだけ大きなリスクも受け入れる必要があるのが一般的です。ですから、投資を行う上で、リスクの種類を正しく理解し、上手に管理することがとても重要になります。 投資の世界には、様々なリスクが存在しますが、その中でも「ベンチマーク・リスク」は、市場全体のリスクを測る指標となるものです。これは、個別株や債券といった個々の資産が、市場全体とどのように連動して値動きするかを示すものです。 例えば、ある株式の価格が市場全体の動きとは関係なく上下する場合、その株式はベンチマーク・リスクが低いと言えます。反対に、市場全体が上昇するときに大きく値上がりし、下落するときに大きく値下がりする場合は、ベンチマーク・リスクが高いと言えます。 現代のポートフォリオ理論では、リスクを分散させて投資を行うことで、個々の資産が持つ固有のリスクを減らすことができます。しかし、ベンチマーク・リスクは市場全体に共通するリスクであるため、分散投資では完全に排除することができません。
投資信託

投資信託で賢く分散投資

- 銘柄分散でリスクを減らそう投資信託で資産運用を行う際、「銘柄分散」は非常に大切です。これは、複数の異なる投資信託に投資をすることを意味します。よく、「卵を一つの籠に入れるな」という言葉を耳にすることがあるでしょう。これは投資の世界にも当てはまります。一つの会社の株や一つの投資信託だけに投資してしまうことを、「一点集中投資」と呼びますが、これは非常に危険です。例えば、ある素晴らしい会社があるとします。その会社の将来性に期待して、所有しているお金の全てをその会社の株に投資したとしましょう。しかし、その会社が予期せぬ不祥事を起こしてしまったり、業績が大きく悪化してしまう可能性もゼロではありません。もしもの時、投資していたお金が大きく減ってしまうリスクがあります。一方、銘柄分散を行えば、このようなリスクを軽減できます。複数の会社の株や債券に投資することで、仮に一つの投資先で損失が出ても、他の投資先で利益が出ていれば、損失を小さく抑えられる可能性があるからです。このように、銘柄分散は、リスクを抑えながら、安定した運用を目指すために有効な手段と言えるでしょう。
経済の用語

現代投資理論入門:リスクとリターンの最適化

- 現代投資理論とは現代投資理論は、お金を増やすために欠かせない、リスクとリターンの関係を分析し、より効率的に投資を行うための理論です。1950年代にハリー・マコーヴィッツという経済学者によって提唱され、今日の金融の基礎となる重要な理論として広く知られています。従来の投資では、どれだけ大きな利益を得られるかに焦点が当てられていました。しかし、現代投資理論では、高い利益だけを目指すのではなく、リスクを適切におさえながら、長期的に資産を増やしていくことが重要だと考えます。たとえば、宝くじは当たれば大きな利益を得られますが、当たる確率は非常に低く、ほとんどの人は損をしてしまいます。一方、銀行預金は利益は少ないですが、元本が減るリスクは非常に低いです。このように、投資には必ずリスクが伴い、そのリスクとリターンのバランスを考えることが重要なのです。現代投資理論は、このリスクとリターンの関係を数学的に分析し、投資家一人ひとりのリスク許容度に応じた、最適な投資方法を提案します。具体的には、複数の資産を組み合わせることでリスクを分散させたり、投資期間を長期的に設定することでリスクを軽減したりする方法などが考えられます。現代投資理論は、投資信託や年金運用など、様々な金融商品やサービスに応用されており、現代の資産運用において欠かせない考え方と言えるでしょう。
投資信託

少額で不動産投資?REITで始める投資戦略

- 不動産投資信託(REIT)とは不動産投資信託(REIT)は、多くの投資家から集めた資金をもとに、オフィスビルやマンションなどの不動産に投資を行い、その運用益を投資家に分配する金融商品です。 投資信託の一種であり、上場不動産投資信託(J-REIT)は証券取引所で株式のように売買することができます。 従来の不動産投資は、多額の資金が必要となるため、一部の富裕層に限定されていました。しかし、REITは少額から不動産投資に参入できるため、一般の投資家にとっても魅力的な投資機会となっています。 REITは、集めた資金で多様な不動産に投資を行うため、投資のリスク分散効果も期待できます。また、賃貸収入などの安定収入を原資として分配金が支払われるため、長期的な資産形成にも適しています。 REITへの投資は、証券会社を通じて行います。NISA口座やiDeCo口座を利用することも可能です。ただし、REITは不動産市況の影響を受けるため、投資する際は不動産市況や経済状況などを十分に検討することが重要です。
経済の用語

投資のリスク分散!資産の「相関関係」とは?

投資の世界において、リスクをコントロールし、安定した利益を追求することは非常に大切です。そのために、資産の「相関関係」という考え方を理解することが重要になります。 相関関係とは、複数の資産の価格の上がり下がり方が、どの程度連動しているかを示す指標です。例えば、ある資産の価格が上がるとき、別の資産の価格も連動して上がる傾向が強い場合は「正の相関関係」があると言えます。逆に、ある資産の価格が上がるとき、別の資産の価格が下がる傾向がある場合は「負の相関関係」があると言います。 この相関関係を理解しておくことは、投資におけるリスク管理に大きく関わってきます。例えば、正の相関関係の高い資産ばかりを組み合わせた投資を行うと、市場全体が下落した場合、すべての資産が同時に値下がりしてしまうリスクがあります。 一方、負の相関関係にある資産を組み合わせることで、リスクを分散することができます。これは、ある資産の価格が下落した場合でも、別の資産の価格が上昇することで、損失を軽減できる可能性があるためです。 つまり、資産の相関関係を理解し、投資に活用することで、リスクを抑制しながら、安定した利益を目指せるようになるのです。
経済の用語

投資の最適化:有効フロンティアを理解する

- 投資におけるリスクとリターンの関係投資の世界では、必ずリスクとリターンは隣り合わせです。高い収益を狙うほど、その背後には大きなリスクが潜んでいるのが一般的です。例えば、株式投資は債券投資と比較して高いリターンが見込める投資先として知られています。しかしその一方で、株価の変動幅も大きく、場合によっては投資した元本を割り込んでしまうリスクも孕んでいます。一方、債券投資は株式投資と比べて得られるリターンは低いものの、価格変動は比較的穏やかで、元本が保証されている場合もあるため、リスクを抑えた投資と言えます。このように、投資対象によってリスクとリターンのバランスは大きく異なってきます。そのため、投資家はそれぞれの投資商品の特性を理解し、自身の資産状況や投資目標、リスク許容度などを考慮しながら、最適な投資先を選択していく必要があります。重要なのは、リスクを正しく理解し、適切に管理することです。リスクを恐れてばかりでは、なかなか大きなリターンは得られません。しかし、リスクを軽視して無謀な投資をしてしまうと、大きな損失を被る可能性もあります。投資を行う際には、リスクとリターンは表裏一体の関係にあることを常に意識し、分散投資などを活用しながら、リスクをコントロールしていくことが重要です。そして、長期的な視点を持って投資を続けることで、リスクを軽減しながら、安定した資産形成を目指していくことが大切です。
指標

投資における共分散:資産の関連性を理解する

- 共分散とは投資の世界では、リスクとリターンは切っても切り離せない関係にあります。リスクを抑えつつリターンを高めるためには、複数の投資対象を組み合わせた「ポートフォリオ」を構築することが重要です。ポートフォリオを組む上で欠かせないのが、投資対象となる資産同士の関連性を理解することです。その関連性を測る指標の一つが「共分散」です。共分散は、2つの資産の収益率がどの程度連動して動くかを表す統計的な尺度です。例えば、ある年の株価が上がると、その会社の業績が良くなり、それに伴い配当金も増える傾向があります。このように、片方の資産の収益率が上がると、もう片方の資産の収益率も上がる傾向にある場合、共分散はプラスになります。反対に、金利が上がると債券価格が下がるように、片方の資産の収益率が上がると、もう片方の資産の収益率が下がる傾向にある場合、共分散はマイナスになります。具体的には、それぞれの資産の収益率が期待値(平均値)からどれだけ離れているかを計算し、その積の平均値をとることで共分散を算出します。共分散が大きいほど、2つの資産の収益率の連動性は高く、小さいほど連動性は低いと言えます。投資家は、共分散を分析することで、ポートフォリオのリスクを分散し、安定した収益を目指せるようになります。
その他

企業年金の長期的な資産運用戦略:政策アセット・ミクスの重要性

- 将来の年金給付を支える重要な枠組み 将来、私たちが安心して老後を過ごすためには、年金制度が安定していることが欠かせません。その年金制度、特に会社員や公務員などが加入する年金制度において、将来の年金給付を支える重要な役割を担っているのが「政策アセット・ミクス」という考え方です。 企業年金や厚生年金基金といった、会社が運営する年金制度では、集めた掛金を運用して、将来の年金給付の原資を増やす努力をしています。この運用において、どのような資産に、どれくらいの割合で投資していくのかを決める際に、羅針盤のような役割を果たすのが「政策アセット・ミクス」です。 「政策アセット・ミクス」は、株式や債券、不動産といった様々な種類の資産への投資比率を、長期的な視点で決定する枠組みです。例えば、株式は値動きが大きい一方、大きなリターンが期待できる資産です。一方、債券は株式に比べて値動きは小さいですが、期待できるリターンも比較的小さくなります。不動産は、景気や金利の影響を受けやすいといった特徴があります。このように、それぞれの資産は異なる性質を持っているため、どの資産にどれだけの割合で投資するかによって、運用による成果は大きく変わってきます。 「政策アセット・ミクス」では、それぞれの資産のリスクとリターン、そして年金制度全体の目標などを考慮しながら、最適な投資比率を決定します。この比率は、企業年金がどれだけのリスクを取ることができるのか、つまり「リスク許容度」と深く関連しており、将来の年金給付を安定的に行うために非常に重要な要素となります。
投資信託

資産運用における補完ファンドの役割

- 補完ファンドとは 投資の世界では、大きく分けて「アクティブ運用」と「パッシブ運用」という二つの運用方法があります。 アクティブ運用は、ファンドマネージャーと呼ばれる運用専門家が投資先企業を分析し、市場の平均的なリターンを上回ることを目指す運用方法です。一方、パッシブ運用は、日経平均株価やTOPIXなどの特定の指数に連動することを目指し、市場全体の動きに沿って運用を行う方法です。 このうち、補完ファンドとは、パッシブ運用を行う投資信託の一種です。 投資家がアクティブ運用だけではカバーしきれない資産クラスや投資スタイルを補完するために利用されます。 例えば、ある投資家が日本株に投資するとします。 この時、成長が期待できる中小型株には、専門家の分析によるアクティブファンドを利用します。一方、市場全体の流れを掴むために、大型株で構成されるTOPIXなどの市場平均に連動するパッシブファンドを利用します。 このパッシブファンドが、アクティブファンドではカバーしきれない部分を補完する役割を果たすことから「補完ファンド」と呼ばれます。 このように、補完ファンドは、投資ポートフォリオ全体のリスクとリターンのバランスを調整し、より効率的な資産運用を実現するために活用されます。
その他

トランジッション・マネジメントとは?

- 資産運用の移行をスムーズに近年、年金基金や機関投資家など、巨額の資産を運用する機関では、運用目標の見直しや市場環境の変化に伴い、資産構成や運用会社を変更するケースが増えてきています。このような大規模な資産の移行は、短期間で多額の資金を動かすため、市場に大きな影響を与え、取引コストが増大したり、意図したタイミングで取引が成立しないリスクが伴います。そこで注目されているのが「トランジション・マネジメント」です。これは、資産構成や運用会社の変更を行う際に、専門のノウハウを持つ外部のパートナーと連携し、綿密な計画に基づいて、段階的に資産を移行していく手法です。トランジション・マネジメントには、大きく分けて以下の3つのメリットがあります。1. -取引コストの削減- 分割発注や市場外の取引などを駆使することで、市場への影響を抑え、取引コストを最小限に抑えることができます。2. -市場リスクの抑制- 段階的に資産を移行することで、一度に多額の売買を行うことによる市場価格への影響を最小限に抑え、安定的な運用を継続することができます。3. -業務効率の向上- 専門性の高い外部パートナーに業務を委託することで、運用担当者は本来の業務に専念することができます。資産規模の大きい機関にとって、トランジション・マネジメントは、効率的かつ安全に資産を移行するための重要な戦略と言えます。
投資信託

投資におけるベンチマーク乖離:トラッキングエラーとは

投資を始めるとき、多くの人は「老後の生活資金を準備したい」「住宅購入の頭金を貯めたい」など、それぞれの目標を持っているはずです。そして、その目標を達成するために、預貯金ではなく投資を選択する人も少なくありません。 投資を行う際、目標とする収益を上げるために、あらかじめ目標とする運用成績を決めておくことが大切です。この目標を具体的に示す指標として、「ベンチマーク」があります。 ベンチマークは、投資の成果を測るための「ものさし」のようなものです。例えば、日本株全体に投資する投資信託の場合、日経平均株価やTOPIXなどの株価指数がベンチマークとしてよく用いられます。これらの指数は、市場全体の動きを示すものなので、投資信託のパフォーマンスと比較することで、市場平均と比べてどれだけ良い成績を収めているのか、あるいは悪い成績なのかを判断することができます。 投資信託の中には、このベンチマークをどれだけ上回る成績を目指すか、といったことを「運用目標」として設定しているものもあります。投資信託を選ぶ際には、こうした運用目標も参考にしながら、自分の投資目標に合致した投資信託を選択することが重要です。
その他

リスクを抑えつつリターンを狙う!分散投資の基礎知識

- 分散投資とは投資の世界には、「卵を一つの籠に盛るな」ということわざがあります。これは、資産を一つだけに集中させてはいけないという教えです。分散投資は、まさにこのことわざを投資戦略として形にしたものです。では、具体的にどのように投資すれば良いのでしょうか?例えば、あなたは今、特定の企業の将来性に期待して、その会社の株のみを保有しているとします。しかし、万が一その会社が不祥事を起こしたり、業績が大きく悪化したりするかもしれません。そうなれば、あなたの大切な資産は大きな損失を受けてしまう可能性があります。このような事態を防ぐために有効なのが、分散投資です。株だけでなく、債券や不動産など、異なる種類の資産に投資することで、リスクを分散させることができます。仮に保有している株の価値が下落したとしても、債券や不動産の値上がりによって損失を軽減できる可能性があります。さらに、株式投資の中でも、様々な企業や業種の株に投資することで、リスクをさらに分散させることができます。特定の企業や業種に集中して投資するよりも、多くの企業や業種に分散して投資することで、特定のリスクに過度にさらされることを避けることができるのです。このように、分散投資は、リスクを低減し、安定した資産運用を目指す上で非常に重要な考え方です。投資初心者の方はもちろん、投資経験豊富な方も、この機会に分散投資について改めて考えてみてはいかがでしょうか。
経済の用語

セクター効果で収益アップを狙う

- セクター効果とは 経済は常に変化しており、その変化は株式市場にも大きな影響を与えます。景気は良い時ばかりではなく、悪い時もあります。景気が良くなったり悪くなったりするサイクルの中で、特定の業種は他の業種よりも大きな影響を受けやすいことがあります。例えば、景気が良くて人々の消費活動が活発になると、小売業や外食産業などは大きな恩恵を受けます。一方で、景気が悪くなると、真っ先にこれらの業種の業績が悪化する傾向があります。 このように、景気や経済活動の変化によって特定の業種の株価が大きく変動することを「セクター効果」と呼びます。株式投資の世界では、このセクター効果をうまく利用して利益を狙う投資戦略が存在します。それが「セクターローテーション」と呼ばれる投資戦略です。 セクターローテーションでは、景気サイクルのどの段階にいるかを分析し、現在そして今後成長が期待される業種の株式に投資します。そして、景気サイクルが変わり始めると、次の段階で成長が期待される業種の株式へと投資先を移していきます。このように、セクターローテーションは、セクター効果を予測し、絶えず変化する経済環境に柔軟に対応することで、収益の安定化を目指した投資戦略と言えます。
指標

投資判断の要!複合ベンチマークを理解しよう

- 複合ベンチマークとは何か投資の世界では、自分の投資成績が良いのか悪いのか、客観的に判断する必要があります。そこで登場するのが「ベンチマーク」という指標です。ベンチマークは、いわば目標とする成績の目安となるものです。例えば、日経平均株価やTOPIXなどは、日本株式市場全体の動きを表す代表的なベンチマークとして知られています。 一方、投資対象を一つに絞らず、複数の資産に分散投資を行う場合もあるでしょう。株式、債券、不動産など、様々な資産を組み合わせた投資方法を「ポートフォリオ」と呼びますが、このポートフォリオ全体の運用成績を評価するための基本的な指標となるのが「複合ベンチマーク」です。 複合ベンチマークは、複数の資産クラスから構成されるベンチマークです。例えば、国内株式、外国株式、国内債券、外国債券といった具合に、それぞれの資産クラスに適切な比率を設定し、ポートフォリオ全体のパフォーマンスを評価するために用いられます。 複合ベンチマークを用いることで、投資家は自身のポートフォリオが市場全体と比較して、どの程度健闘しているのかを把握することができます。また、複合ベンチマークを構成する各資産クラスの比率を変更することで、自身のリスク許容度や運用目標に合わせた、最適なポートフォリオ構築の参考にすることも可能です。
投資信託

投資信託のスイッチングとは?

- 投資信託の乗り換え 投資信託のスイッチングとは、現在保有している投資信託を売却し、その売却資金で別の投資信託を購入する取引のことです。簡単に言うと、現在保有している投資信託から別の投資信託に乗り換えるイメージです。 例えば、あなたがこれまで国内株式に投資する投資信託を購入していたとします。しかし、世界経済の成長を見込んで、今後は海外株式に投資する投資信託に乗り換えたいと考えたとしましょう。このような場合に、投資信託のスイッチングが活用できます。 投資信託のスイッチングは、証券会社や銀行などの金融機関を通じて行います。具体的には、現在保有している投資信託の解約手続きと、新たな投資信託の購入手続きを同時に行います。この際、売却した投資信託の売却益や分配金は、新たな投資信託の購入資金に充てることができます。 投資信託のスイッチングは、投資戦略の変更や、保有する投資信託の分散などを目的として行われます。しかし、スイッチングには手数料や税金が発生する可能性もあるため、注意が必要です。
指標

投資成績を測る!ジェンセンの測度とは?

- ジェンセンの測度とは 投資の世界では、ただ利益が多いだけでは、良い投資だったとは言えません。なぜなら、大きな利益を得るためには、それだけ大きな危険を冒している可能性もあるからです。そこで、ある投資がどれだけの成果を上げたのかを測る指標として、「ジェンセンの測度」が使われます。これは、よく「ジェンセンのα(アルファ)」とも呼ばれます。 ジェンセンの測度は、投資信託や複数の金融商品を組み合わせた運用方法であるポートフォリオのパフォーマンスを評価する際に用いられます。この測度は、リスクを考慮した上で、ファンドやポートフォリオが市場全体の動きを表す指標(ベンチマーク)と比べて、どれだけ優れた成績を収めたのかを示します。 例えば、ある投資信託が市場平均を上回る利益を上げたとしても、その信託が市場平均を上回るリスクを取っていた場合、ジェンセンの測度は低くなります。逆に、市場平均と同じリスク水準でありながら、市場平均を上回る利益を上げることができた場合、ジェンセンの測度は高くなります。 ジェンセンの測度は、投資家がより安全で効率的な投資を行うための判断材料の一つとして活用されています。
経済の用語

分散投資では消せないリスクとは?

投資の世界では、常に利益と隣り合わせに危険が存在します。堅実な投資の選択をするためには、危険の種類を正しく理解することが非常に大切です。投資における危険には、大きく分けて二つの種類があります。一つは、投資対象となる企業や商品そのものに起因する危険です。もう一つは、市場全体に影響を及ぼす危険です。後者は「システマティック・リスク」とも呼ばれ、戦争や不景気、金融システムの崩壊など、市場全体を揺るがすような出来事によって発生します。 例えば、ある優秀な経営者によって成長を続ける企業があったとしても、戦争が勃発すれば、その影響は避けられません。戦争という大きな出来事の影響は、その企業一社にとどまらず、市場全体に波及し、株価は下落する可能性があります。 同様に、世界的な不景気に見舞われた場合、たとえ業績の良い企業でも、消費の冷え込みから逃れることは難しいでしょう。このように、「システマティック・リスク」は、個々の企業の努力だけでは回避できない、市場全体に影響を与えるものであるため注意が必要です。