
年金制度を支える大数の法則
年金制度は、現在働いている世代の人たちが保険料を毎月少しずつ支払い、それを積み立てておくことで、将来、自分たちを含めた高齢者になった世代の人たちに年金を支給する仕組みです。
将来もらえる年金の金額や、毎月支払う保険料の金額を決めるためには、どれくらいの人が何歳まで生きられるのか、どれくらいの人が年金を受け取ることになるのかを、あらかじめ予想しておく必要があります。
例えば、平均寿命が延びて、多くの人が長生きするようになれば、年金を受け取る期間も長くなるため、支給する年金の総額も増えることになります。また、少子化が進んで、年金を支払う現役世代の人数が減ってしまえば、一人ひとりが負担する保険料の金額は増えることになります。
このように、将来の出来事を予測する際に、ある出来事がどれくらいの確率で起こるのかを計算することは、年金制度において非常に重要な役割を担っています。年金制度は、まさに確率という、不確実な未来を予測するための道具を使って成り立っていると言えるでしょう。